人の手で丁寧につくられたものが生活に一つ加わるだけで、
何気ない時間が少し豊かになることがあります。
いつもの食卓で使う器や、
部屋に飾る小さなオブジェ、
そして、ひと息つきたいときに焚くお香。
そんな「ふだんの暮らしに寄り添う工芸」をお届けしたいという思いから、
現在、和モダンN6北円山ではオリジナルのお香づくりを進めています。
何度も香りを比べて選んだ、二つの香り
オリジナルのお香は、二つの香りをご用意する予定です。
和モダンの空間で、ふだんから焚ける香り。
イベントや、特別な雰囲気を演出したい時に焚きたい香り。
まずは、二つのシチュエーションを元に
家でほっとひと息つきたいときや
気持ちをゆっくり整えたいときなど
そんな時間に寄り添う香りを目指して、
御香微笑さんと相談しながら調合していただきました。
届いたいくつものサンプルを一つずつ香り比べしながら、
「こちらは、もう少しこうしたい」
「この香りの余韻が心地いい」
と、何度も話し合いを重ねて選んだ香りです。
完成した商品を仕入れるだけではなく、
作家さんと直接言葉を交わし、一緒に形をつくっていくのも
私たちにとって大切なものづくりの一つです。
まだ完成前ですが、試行錯誤を重ねた時間の分だけ
すでに深い思い入れが生まれています。
奥田章さんの香立てがつくる、小さな景色
お香を受け止めるのは、
奥田章さんが手がける信楽焼の香立てです。
和モダンでも大人気の奥田さんの箸置きの形をベースに、
今回のテーマに合った釉調で2種類の色を制作していただいています。
小さな香立ても、奥田さんの手にかかると
単なる道具ではなく、空間に一つの景色をつくる存在に。
細く立ち上る煙。
その日の光や空気によって変わる、塊の佇まい。
香りだけではなく、
目でも楽しんでいただける品になりそうです。
奥田さんから届いた試作の写真
お香を通して、工芸を体験する
9月には、御香微笑さんによる個展を予定しています。

伝統的なお香というと、少し作法が難しそうに感じるかもしれません。
でも、まずは香りに触れ
自分が心地よいと感じるものを探すところからで大丈夫です。
香りを聞き比べると
同じ香りでも人によって受け取る印象が違うことに気づきます。
懐かしく感じる方もいれば、
気持ちが落ち着く方、
背筋がすっと伸びるように感じる方もいます。
目には見えない香りだからこそ、
その日の気分や記憶と結びつき
自分自身の感覚をあらためて見つめるきっかけになるのかもしれません。
イベントでは御香微笑さんの香りの世界に触れながら、
お香の楽しみ方を身近に感じていただけたらと思っています。
新しいオリジナル香と奥田さんの香立ても
この機会にお披露目できるよう準備を進めています。

会期中は調香のワークショップ、実演も開催 ※要事前予約
●御香微笑個展「重陽 -香りと祈りのしつらえ」 イベント詳細- Instagram
まずは、暮らしに一つ取り入れてみる
工芸品を暮らしに取り入れることを
難しく考える必要はありません。
いつもの食卓で使う器を一つ変えてみる。
部屋に小さな作品を飾ってみる。
そして、ひと息つきたいときにお香を焚いてみる。
たったそれだけでも、
家で過ごす時間や、見慣れた空間の感じ方が少し変わります。
忙しい毎日の中で、
お香に火を灯し、煙が立ち上る様子を眺める。
その数分間だけは手を止め、ゆっくり呼吸をする。
工芸が豊かにしてくれるのは、
生活の見た目だけではありません。
ものを使うことで生まれる時間や、
気持ちの余白まで含めて
暮らしに小さな変化をもたらしてくれるのだと思います。
7月の個展を終え、
店頭には奥田章さんの作品がさらに充実しました。
そのほかにも、さまざまな作家さんによる
ふだんの生活に取り入れやすい品々を揃えています。
まずは店頭で手に取り、重さや質感、色合いをご覧ください。
「自分の家なら、どこに置こう」
「どんな時間に使いたいだろう」
そんなふうに、暮らしの中にある風景を
一緒に想像していただけたらうれしいです。