写真:土井商店マネージャー/フードスタイリスト・おかざきおかこ さん ※一部スタッフ撮影
和モダン日本酒倶楽部vol.1と蒔絵ワークショップ
4月は、和モダンN6北円山にとって
これからの場づくりを考えるうえでとても印象深い二つの催しを開催しました。
まず一つ目は、今回初めての試みとなった
「和モダン日本酒倶楽部 Vol.1」です。
日向豊里さん、諏訪豊江さんによる琴演奏
書道の体験や琴の演奏とともに、日本酒とお料理を楽しむ時間として企画しましたが
想像以上に豊かな広がりを持った場となりました。
内海秀翠さんによる書道ワークショップ
日本酒について学びながら味わうこと。
そして、おつまみと合わせたときに生まれる味わいの変化を、
参加者同士で言葉にし合うこと。
はじめましての方同士であっても、
「これが美味しい」「この組み合わせが面白い」と自然に会話が生まれ、
小さなコミュニティのような空気が立ち上がっていく様子がとても印象的でした。
土井商店さんにご用意いただいた日本酒、
土井優慶社長のお酒を味わうセンスと深い知識・感覚による講座、
そして円山の「穂の実」さんのお料理の力も相まって
場としての完成度を大きく引き上げていただいたと感じています。
今後は年間の定番企画として、
日本酒というひとつのテーマを軸にさまざまな角度から楽しめる
“集いの場”として「和モダン日本酒倶楽部」を育てていきたいと考えています。
もうひとつは、蒔絵のワークショップです。
北見で漆の研究をされている松本拓真さんに講師としてお越しいただき、
お客様に実際に漆を扱いながら作品を制作する体験をしていただきました。
午前と午後で全く異なる空気が生まれたのも、今回ならではの面白さでした。
午前は、漆を学びながら難しささえも楽しんでいく、和やかな時間。
一方で午後は、作品づくりに深く没入するような、
まるで職人の現場のような緊張感が漂う場となりました。
講義では、漆という素材の本質にも触れていただきました。
漆は「乾く」のではなく、水分と酸素によって硬化するもの。
木の傷をふさぐ、いわば“樹のかさぶた”として生まれる素材です。
一本の木から採れるのは、わずか200ml。
15年、20年と時間をかけて育てられた木から得られる、非常に貴重なものです。
その一滴を使い、繊細な筆で描く時間は、
思っている以上に集中力を要し、同時に素材と向き合う時間でもありました。
今回制作いただいた作品は、
最終仕上げを経て、後日お手元に届く予定です。
完成までの時間も含めて、
楽しみにお待ちいただけたら嬉しく思います。
写真:松本さんより届いた硬化中の作品たちの様子。
この後漆室に入れて乾かし、その後拭漆を1回行い、1週間養生したのち札幌に戻ってきます。
「場ができていく」感覚
4月の2つのイベントを通して強く感じたのは、
「場ができていく」という感覚でした。
書道の時間では、
それぞれが静かに自分と向き合いながら、
同じ空間を共有している。
日本酒の時間になると、
そこに少しずつ会話が生まれて、
自然と人と人がつながっていく。
その流れが、とても印象に残っています。
蒔絵のワークショップでも、
同じ時間を過ごしているのに、
その場の空気によって全く違う雰囲気になる。
いずれも共通していたのは、
“その場でしか生まれない時間”の中で感じた場の一体感でした。
和モダンN6北円山は、
工芸品を通して人と人がつながる場所でもありたいと考えています。
ものだけではなく、
時間や体験も含めて、
ここでしか感じられない何かをお届けできたら。
そんなことを改めて感じた、4月でした。
